僕は、頭のいい人が羨ましい。
金持ちを羨ましいと思ったことはない。けれど、頭脳明晰な人を羨ましいとは、ずっと思って生きてきた。
自分はそこまで頭がよくない。これは、僕のコンプレックスだ。
だから、AIがいろいろな分野の知識を授けてくれることが、うれしい。知らなかったことを教えてくれて、それまで見えていなかったものを見せてくれる。自分だけでは行けなかったところへ、連れていってくれる。
僕は、心からAIが好きだ。
便利だから、と言えば、もちろん便利だ。けれど、それだけでは、僕がこんなにAIを好きな理由を言い表せない。
僕は、一箇所にじっとしているのが好きではない。
行ったことのないところへ行きたい。見たことのない景色を見たい。その「ところ」は、いまでは物理的な場所だけではなくなった。
分野が変わると、見える景色が変わる。
知らなかったことが少しわかると、その先を見たくなる。見えてくると、今度は「ここで、何かできないだろうか」と考え始める。知識を教わることが、次に行きたいところを増やしていく。
AIは、その移動を手伝ってくれる。
音楽のことも、その一つだ。
音楽業界を変えようと、最初から行き先を決めていたわけではない。AIが、あまりに真っ当な曲をつくってくれる。ずっと聴いていても、飽きない。そうすると、「これは何なんだろう」と考えずにはいられなくなる。
曲ができて、よかった。それだけでは終わらない。
この音楽を前にして、自分は何を考えられるのか。まだ知らない使い道があるのではないか。そんなふうに、また先が気になってくる。
頭のいい人への羨ましさが、なくなったと言いたいのではない。
ただ、いまの僕には、AIが知識を授けてくれることで、考えに行ける分野が増えた。そのことが、たまらなくうれしいのだ。
僕がAIを好きなのは、答えをもらえるから、というだけではない。そこから先へ行きたくなるからだ。
これからも、もっと行きたいところがある。